アゲアゲなスパイラル。

企業力アップを考えた時、もっとも効果が高いと思われるのは「人の強化」です。

これが機械なら、新しく導入した場合、導入した台数分しか仕事はできませんし、ライバル社も導入するかもしれません。仮にライバル社がもっといい機械を導入したら競争力で簡単に負けてしまう。

ところが、人のモチベーションを上げた場合は、より高いパフォーマンスが出せる可能性があるわけです。

個人的には、終身雇用の“時代が終わっただけで、逆に今、終身雇用が成立するくらいスタッフと会社の間に協力的な関係が構築できれば、まぎれもない競争力であり、企業力だと考えます。

もちろん、「人材」を「人財」にしていくには、それ相応の手間や費用、時間もかかります。即効性が期待できることもありますが、ワタクシは、時間や手間がかかるからこそ、構築できれば他社が簡単にマネできない優位性を強く感じるのです。

よく聞くパターンとしては、「君、経験積んできてるし、そろそろ主任やりなさい」的な、やる本人からすれば「主任ってナニをどうすればいいの?」という疑問が消せない状態で部下を預けられること。部下を育てることや、チームで動くことは、個人の仕事ぶりとは違う要素がたくさんあるのに、それをちゃんと学ぶ機会も与えずに責任だけを上乗せする。これでは、耐えられなくなった順に辞めていくか、もう仕事として動いてしまっているので業績が悪くても手を加えず担当者を責めるだけ。

明らかな「負のスパイラル」ですよね。

これをですね、よく言うPDCA、つまり計画(Plan)して、実行(Do)して、精査(Check)して、改善(Action)することを繰り返す、「アゲアゲのスパイラル」に乗せていくことで明らかな“人財”を生み出し、ていくといいと考えます。

以下のリンクにあるような、いわゆるコミュニケーション講座は、テーマにあったものに気軽に参加してみてもいいですし、企業として「こういうことをスタッフに学ばせたい」という要望を講座にしてもらうこともできます。ネット検索で簡単に知ることができるような浅い知識ではなく、ワークショップを踏まえた“身になる講座”を受けることは、やった人にしかわからない魅力があります。

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また、便利なものをちゃんと便利に使うこともスタッフへの余計な負担を軽減してくれます。例えば新人研修。紙資料やスライド投影しながら、同じ説明を同じ担当者が延々と繰り返す。ワタクシならきっと、何回も同じ説明続けていると、どこか甘くなります(笑)

そこで、作業手順の説明や機器の操作方法などは、例えば映像資料にして試聴させ、試聴後にチェックテストを行って情報が確実に伝わっているかを確認する。研修担当者は「同じ説明を何度もする」という負担がなくなるので、その代わり、新人の不安や不満などをヒアリングして、解消する動きをする。新人だけでなく、すでに在籍しているスタッフの教育についてもこの方法が応用できます。

この考え方ですと、「人事担当者が会社の花形ポスト」と言えるかもしれません。人事担当者にはコミュニケーションやコーチング、ティーチング、組織づくりなどを学んでもらい、自社ならではの“人財”育成ノウハウを作っていくわけです。

実際にこういうことを取り入れている企業の方々はとても生き生きしていますし、どの立場の方とお話しても、こちらも楽しくなります。