経験値は下がることがある。

 

夏休みだからでしょうね。

移動中の電車の中で、両親と娘の3人家族の会話が耳に入ってきました。

驚いたのが、3人でなにやらゲームの話で盛り上がっていること。ひとつの場所にじっとしていられない性格のワタクシは、実はゲームにのめりこんだことがほぼないんです。

そもそも、ファミコンの家庭内導入が高2と遅かったこともあったと思います。友達からドラゴンクエストの、確かファイブを貸してもらい、6か月くらいかけてやりました。終わった瞬間に思ったことが「ああ、時間を無駄にした」ですからね(笑)

シューティングゲームは越えられない壁に当たると飽き、格闘ゲームもまたしかり。唯一、初登場を東京モーターショー会場のプレステブースでやって以来、グランツーリスモについては今でも面白いと思っていますが、アレもゲームというよりは、ドライビングシミュレーターですもんね。ワタクシのゲーム観はそんな感じ。

なんのゲームをしているのかは皆目見当もつきませんが、娘が電車内でプレイし始めて、そこに母親が話しかけ、「そこはこうでないと進めない」とか、父親が「いやそこは大丈夫」とか、実に楽しそう。

小学校の低学年とおぼしき娘が、ゲームを始めてから10分くらいたったところで、驚愕のセリフを口にするんです。

「経験値が下がるなんてありえんし!」

どういうこと?

確か経験値って、RPGの登場人物の成長度合いを示す数値かなんかだったような?

それが、下がる?

確かに、そんなことがあっては大問題。せっかくやったことがマイナスになるなんて。娘が繰り返し「ありえん!」と言っていた気持ちがよくわかります。

家族は目的の駅に到着したため、娘は母親に促されて「ありえん!」を連呼しながら電車を降りていきました。

そこで考えてみたんですが、経験値ってRPGのワードではあるんですが、現実世界でも置き換えて考えられるんですよね。しかも、ちゃんと下がることもあり得る(笑)

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」なんて言葉があります。

賢い人は、自ら経験する前に過去に起こった出来事や人の経験談、アドバイスなどから失敗の経験を回避することができ、愚かな人は自ら痛い思いをして学ぶ。ってことなんですけど、現実社会では愚者の下、つまり「自ら痛い経験をして、なおかつ学ばない、あるいは学べない」が起きているし、むしろ多いとさえ感じてしまいます。

人生を短いと定義すれば、愚者の下だけは回避したいと思うところですよね。ワタクシもそうです。

この手の自己啓発的な話はアスリートやビジネスマンにはよくありますが、ことはなんであれ、上達することでいろんなことが良くなるのは誰しもわかっている。一方で、そうは言うものの、同じ失敗を繰り返さないことがどれほど難しいかも実感します。

ひょっとすると、世の中で「天才」と呼ばれる人は、この学びの無駄(同じ失敗の繰り返し)がほかの人よりも格段に少ないのではないかと考えてしまいますね。

小学生の言葉で、ひとまず(笑)「愚者の下」脱却を目標にして、経験値の下がりを少なくしたいと心に誓いました。