ナマゴエの本。

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ここ2年くらいは人生何度目かのマイ読書ブームはワタクシです。

が!

案外、本を持ち歩くのも大変だし、読みたいときほど持ってなかったり、かといってスマホの画面で読むのはなんだか目が疲れるし頭にも入らないのです。

若かりし頃、出版社で編集をしていた折に、誤字脱字や内容のおかしなところをチェックする「校正」という作業がありました。当時はDTPではなく写植という、出力した文字を版下というものにノリで貼っていました。数年後、徐々にDTPの波がやってきて、会社によっては印刷するまで一切出力せずにやるペーパーレス制作をしているところも出てきたころです。あるデータが出て、紙に印刷されたものとディスプレイに表示されているもの、同じ内容の文章で校正を行うと、誤字脱字の発見率が紙に比べて非常に低くなるというデータを知りました。実は、体感としてもディスプレイでのみ確認したら誤字を見逃したことがあったんです。

そんな苦い経験があったためか、今回もスマホで読書は受け入れられませんでした。

そうなると次は「自動読み上げ機能」が気になりました。まあ、あまり期待はしていなかったというのがホンネですけどね(笑)。結果は、スマホ読書以下でした。なんせ棒読み、イヤホンで聞いていても電子的に作られた声は聴きづらく、内容よりもそちらに意識が引っ張れてしまい、30分ほど聴きましたがなにひとつ頭に入らない始末。自動読み上げの機能自体、世に出てきて結構経ちますから、需要があれば(あるいは予算?)もっと発達していてもいいのかもしれません。

ちゃんと本を持ち歩かない自分はぼちぼち直す努力もするとして、やっぱりワタクシとしては、「ちゃんと頭に入る朗読」は作ってみたいと思いました。アプリなのか、文字情報などを映像としてつけたものなのかはわかりませんが、電車の移動中などでスマホで聴けたら最高ですね。著者にとっては音でも表現が広がりますから、本と一緒にCDもつけるとか、本を買った人だけダウンロードできるとか、付加価値としてできるといいのかもしれません。世の中には、ちゃんと技術を学んだプロの「話し手」さんたちがいるんですし、ラジオドラマ風に小説を仕上げても面白くなると思うのです。

先日、人生初の「リーディングライブ」というものを観てきました。物語を複数の話し手さんがライブで話、BGMや効果音、生楽器、キーワードに関連する生歌まで入っていまして、想像以上に面白かったのです。目を閉じて聞いていても、物語の情景が目に浮かんでくるんですから、「表現力でこんなに違うものなのか!」と思いました。

やっぱりナマゴエです。出版とコラボできないか、可能性を探ってみたいですね。本は好きですし、手に取って開けばすぐに読めるのは本だけの魅力なので、なくすお話ではなく、あくまでも魅力の上乗せですね。